この記事では、「逆接」と「逆説」の違いを分かりやすく説明していきます。
「逆接」とは?
「逆接」とはその直前の文章とは逆であったり、前文から予想される内容とはかけ離れた後文を繋げるための接続詞です。
例を挙げると、顔は怖いですがとても優しい人です、彼は小柄なのに力持ちです、のような、ですが、なのに、が「逆接」にあたります。
他にも、けれどやそれでも、ところが等がよく見かける「逆接」でしょう。
Aと言えばB、Cの特徴があるならDの特徴も持っているはずというような、一つの要素から連想される特徴や展開は多いですが、その連想されるような物事とは、逆の展開や特徴があるケースもまた多くあります。
そのため前の文章から予想されるような内容とは真逆であったり、意外な内容の後文に繋げるために使われる言葉として生まれた接続詞をまとめた呼び方が「逆接」です。
「逆説」とは?
「逆説」とは一見間違っているようで、よく考えてみれば真理をついている部分もあることを指す言葉です。
代表的な「逆説」の例文と言えば、急がば回れが挙げられます。
元々は琵琶湖の対岸に行きたい人に対し、急いでいるなら直進する代わりにトラブルで遅れやすい渡し船よりも、あえて交通が安定している外周を歩いて回って行ったほうが安定して早く着くことも多い、という言葉です。
他にも上手く行っている時こそ油断して台無しにならないよう気をつけるべきという勝って兜の緒を締めよも、「逆説」のことわざと言えます。
このように表面的に見ると正しくなくて道理に反しているようで、その真意を知れば一理あるような話や事柄が「逆説」です。
「逆接」と「逆説」の違い
「逆接」と「逆説」の違いを、分かりやすく解説します。
「逆接」は前文から予想される内容に反した後文を繋げるための接続詞で、「逆説」は間違っているようで正しい話です。
「逆接」は言葉と言葉の間に挟む一つの言葉だけを指しますが、「逆説」は間違っているように見える文章全体で一つの「逆説」になります。
文法が合っていれば「逆接」は間違っていると認識されることはありませんし、「逆接」を使った文章も、表面的に間違った文章だと思われることもありません。
しかし「逆説」は文法が合っていても間違った理論だと思われる可能性があります。
そのため「逆接」は言葉の意味を直接理解してもらえますが、「逆説」は真意を知ってもらうにはどういう理屈なのかも合わせて説明したり、相手の熟慮を促すことが必要です。
まとめ
具体的な「逆説」は例を挙げるのも、どういった意図で言われているかの理解も難しいですが、「逆接」は接続詞の一つでしかなく、接とついているから接続詞と覚えやすいので、理解するのは簡単でしょう。
「逆説」は理解できれば感心することも多いので、一見道理に反しているような文章でも、真意を読み取ろうとしてみると、「逆説」だと気付けてためになるかもしれません。