「傘下」と「子会社」の違いとは?分かりやすく解釈

「傘下」と「子会社」の違いとは? 言葉の違い【2語】

ビジネスの世界ではさまざまな企業がM&Aや吸収合併などが行われています。

このような動きの中で「傘下」「子会社」という言葉が使われているのですが、どのような意味や違いがあるのでしょうか?
そこでこの記事では、「傘下」「子会社」の違いを分かりやすく説明していきます。

「傘下」とは?

「傘下」「さんか」という読み方になる言葉ですが、「傘の下(かさのした)」ということから「中心的な人物や強い勢力・大きな規模の団体・企業などの支配や指導を受ける立場にあること」、あるいは「全体を1つの勢力としてまとめる指導的な人物や組織の下で、統制・支配を受ける立場にあること」という意味があります。

「子会社」とは?

「子会社」「こがいしゃ」と読みますが、「財務や営業、あるいは事業方針を決定する機関、すなわち株主総会などを上位の立場になる親会社によって支配されている会社のこと」を意味しています。

「傘下」と「子会社」の違い

ここで「傘下」「子会社」の違いを見ていくことにしましょう。

「傘下」「傘の下に入る」という意味が転じて、「中心となる人物や首脳者の下になり部下や仲間・同志となって寄り集まること」「1つの大きな組織に属していること」を言っています。

一方の「子会社」は会社法の観点で見ると「会社が総株主の議決権の過半数を有する株式会社が経営を支配している法人として法務省令で定めるもの」と定められているのです。

簡単に言うと「子会社」「法的に親会社が株式の50%以上を保有している会社のこと」を指しています。

その結果、営業・財務上では親会社は「子会社」を支配する権利を持っているわけです。

しかし、「傘下」は法的に明確な定義はなく、色々なケースで使われている言葉であり、基本的にある企業の支配や影響を受けている企業のことを「傘下」と言っているのです。

また、権力を持った中心人物の下に入る場合も使われることがあります。

「傘下」の例文

ここで「傘下」の例文を見てみることにしましょう。

・『来月から我が社はA社の傘下に入ることにした。このままでは厳しい景気の中で経営が経ち行かなくなるためだ。これが唯一の生き残り策なんだ』
・『悔しいが彼の傘下に入るしかない。この人物の影響力が業界でも大きなものがあるんだ。無視することはできないだろう』

「子会社」の例文

今度は「子会社」の例文を見てみましょう。

・『当社の電子機器部門を分離独立させて子会社にすることとしました。事業の責任が明確になる。これからは採算部門を明確にするためには必要なことなことだよ』
・『今年は当社の製品が爆発的にヒットして子会社であるにも関わらず、親会社との連結決算では大きくけん引することになった』

まとめ

ここまで「傘下」「子会社」の意味や違いを説明してきました。

これらの言葉はこれからのビジネス業界では頻繁に使われていく言葉なので、しっかりと理解しておくようにしておいてください。

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