「師走の候」の言葉の使い方や敬語・言い換えを徹底解釈していきます。
「師走の候」とは?
「師走の候」は「しわすのこう」と読み、季節の時期を表す言葉です。
一年の終わりを表現する言葉です。
「師走の候」は12月全般に使える、時候の言葉とされています。
「師走の候」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
よく、営業の方が、自社のカレンダーや手帳等を持参して、取引先の会社を周られているのを見たことがあるのではないでしょうか。
「師走の候」のビジネスメールは営業関係や小企業では仕事を請け負っている会社へ出す機会が多いでしょう。
この様な取引先への挨拶回りは直接、会社へ伺う事が一番良いのでしょうが、このご時世、中々その様には行かず、郵送で済ませる場合もあると思います。
文面のビジネスメールなので、相手先を書く場合は「御社」ではなく、「貴社」を使いましょう。
貴社は文語的表現、堅苦しいとされていますが、文書では、「貴社」の方が良く、コミュニケーションでは「御社」が良いとされていますので、注意して下さい。
「師走の候」の正しい文章表現
【正しい例文】
師走の候、益々ご清栄のこととお喜び致します。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
皆様のご健康とご活躍をお祈りいたしますとともに、来年もかわらぬお付き合いのほど、よろしくお願いしまいます、
例文は今年、お世話になった事の感謝と来年も継続して、お付き合いくださいと言う例文です。
例文を読むと分かりますが、普通は漢字で書けるのになぜ、ひらがなで書いているのでしょうか。
これは故意にひらがなを含ませて書いているのです。
【漢字の多い控えた方がよい例文】
師走の候、益々 御清栄の事とお喜び致します。
平素は格別の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。
皆様の御健康と御活躍を御祈り致しますと共に、来年も変らぬ御付合いの程、宜しく御願致します。
年末のビジネスメールは、一年間のお礼を含め、来年もかわらぬお付き合いをお願いしますと言う内容を普段に比べて、畏まって書くのが普通です。
その為に少し堅苦しい言葉遣いを用いています。
その事によって、漢字を多くすると、より堅苦しく、読みにくくなってしまいます。
上の二つの文章を比較して、読んでみると「何かかたくるしいな」と分かるでしょう。
どの個所をひらがなにするべきという決まりがあるというよりは、適度にひらがなを混ぜて書くのが良いので、自分なりの工夫で構いません。
「師走の候」を使った例文
・『師走のあわただしい時期となりましたが、いかがお過ごしでしょうか』
・『歳末の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます』
・『師走のおり、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます』
「師走の候」の類語や言い替え
「師走の候」の言い換えとして、「師走のみぎり」や「師走の折り(おり)」があります。
また、12月下旬であれば、「歳末の候」、年が明けてからなら、「新春の候」が使えます。
ただし、「新春の候」は松の内(7日)、あるいは小正月(15日)位までが適用範囲とされているので、注意して下さい。
まとめ
英語だとクリスマスカードで、“merry Christmas and happy new year”とクリスマスカードが届く方もおられるでしょう。
英語だと非常に簡単ですが、時候の御挨拶は日本の良い風習だと感じます。
ちょっと格式高く、しかし、堅苦しすぎず、適度でと言われても、最初は難しいかも知れませんが、最初は真似をするから始め、徐々に身に付けて行けば良いので、これを良い機会に試して見て下さい。