この記事では、「寂しさ」と「淋しさ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「寂しさ」とは?
「寂しさ」は「さびしさ」と読み、身の回りに人や物事がなく、もの静かで空しい様子を表す言葉です。
静寂、空虚さ、虚無感も「寂しさ」に通じる言葉といえます。
また、「わび・さび」という言葉もよく見聞きしますが、「詫び寂び」と表記されることもあり、古びた様子や静けさの中に慎ましさや豊かさといった趣を感じる心を指す言葉として親しまれています。
「淋しさ」とは?
「淋しさ」は「さびしさ」と読み、人との繋がりが薄く孤独を感じている様子を表す言葉です。
「淋」の文字は、「流れる水」と「木が立ち並ぶ場所」で成り立ち、林の中を流れゆく水を表現していることから、「長く降り続いた雨」という意味合いを持つようになり、「長くその時間や場所を独り占めしている様子」として「さびしい」というニュアンスとなったとも言われています。
「寂しさ」と「淋しさ」の違い
「寂しさ」と「淋しさ」は、どちらも「さびしい」と読みますが、ニュアンスに違いがあります。
「寂しさ」は、静かな時間や空間の中に感じる趣や虚しさを表しています。
例えば、ひとけのない静寂に耳を傾けて、聞こえてくる自然の音色や心の声を「さび」「寂び」「寂しさ」と表現できます。
一方の「淋しさ」は、周囲から取り残された孤独感や切なさを表しています。
例えば、ひとりぼっちの部屋の片隅で、心細さに涙がこぼれてしまうような切なさを「淋しさ」と表現できるわけです。
まとめ
いかがでしたか。
「寂しさ」と「淋しさ」は、どちらも「さびしさ」と読み、どちらも流行歌の歌詞などでよく登場する言葉です。
日本文化独特の「わびさび」では「寂」の文字が用いられ、ロンリーな切なさを表現する歌謡曲などでは「淋」の文字が用いられる傾向があるようです。
それぞれのニュアンスの違いを理解することで、「わびさび」や歌詞の世界観に新たな発見があるかもしれません。