「金正男」の死に際とは?晩年や最期(死因)など分かりやすく解釈

「金正男」の死に際とは? 歴史上の人物

北朝鮮の第2代最高指導者である金正日(キム・ジョンイル)を父にもつ、金正男(キム・ジョンナム)は45歳で亡くなっています。

今回は、北朝鮮の次期最高指導者候補のひとりだった彼の死因に迫ります。

「金正男」とは?簡単に説明

1971年に北朝鮮の首都平壌で生まれた金正男は、北朝鮮の第2代最高指導者である金正日労働党総書記の長男として誕生しました。

後に第3代最高指導者となる金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記を異母弟に持つ正男は、8歳ごろから北朝鮮を離れて海外で暮らすようになり、当時のソビエト連邦やスイス、中国などの国を転々としながら海外の社会や生活に触れたことで、北朝鮮における改革開放を志すようになります。

その後北朝鮮に戻った正男は、若干17歳にして母国のIT政策における最高責任者となり、24歳になると朝鮮人民軍の大将に任命されます。

しかしながら金正日の後継者候補の筆頭には彼の異母弟である金正恩が挙げられており、異なる母を持つ正男の立場は徐々に微妙なものとなっていきます。

実の父である金正日の死後、その立場はいよいよ危うくなっていき、2017年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺されています。

享年45歳という若さでした。

「金正男」の死に様

2017年2月、マレーシアのランカウイ島に滞在していた金正男は、当時滞在していたマカオに戻るために、クアラルンプール国際空港の自動チェックイン機で自らチケットを発券しようとしていました。

そこに突然小柄な女性が現れ、自身の顔に直接何かを塗り付けられた正男は、すぐにその女性を振り払いますが、その女性は逃げ出し、今度はさらに別の女性が正男の顔に布のようなものを覆い被せてきました。

その女性も振り払い、顔の激痛に耐えながらも自ら空港内のメディカル・クリニックに向かった正男は、クリニックに到着した時には大量の汗をかいており、スタッフに顔の激しい痛みを訴えるものの、まもなく痙攣を起こし始めて意識を失ってしまい、口から血や泡を吹きだし始めます。

その後、救命のため空港外の病院に搬送されますが、救急車の中で心肺停止に陥り、そのまま死亡が確認されています。

検死の結果、猛毒の神経剤「VX」を顔に塗られたことによるショック死と公表されています。

「金正男」の死に様の信憑性

金正男が暗殺された2日後、マレーシア警察は暗殺犯としてベトナム国籍(28歳)とインドネシア国籍(25歳)の2人の女性を逮捕しています。

この2名はそれぞれ別々に旅行でマレーシアに滞在していたところ、4人の見知らぬ男性たちと知り合い、彼らから日本で放映される予定のお笑い番組の撮影に協力してほしいと依頼されます。

実際の彼らは北朝鮮国籍でしたが、日本からきた撮影スタッフと偽り、テレビ番組のドッキリ企画の撮影をしているように、ダミーのターゲットをたてて、顔に何かを塗りたくる予行練習までこなしていたといいます。

逮捕されたベトナム人女性もインドネシア人女性も、自分たちが金正男の顔に猛毒を塗り殺してしまったとは夢にも思っておらず、逮捕された後も否認し続けました。

そしてこの暗殺を指示した4名の男性は、彼女たちが逮捕された時にはすでにマレーシアを出国した後でした。

「金正男」の小ネタ等

金正男を暗殺した実行犯となったベトナム国籍とインドネシア国籍の女性2名は、逮捕された後、一旦は殺人罪で起訴され、マレーシアの拘置所で2年間拘留されますが、最終的には証拠不十分で不起訴となり、釈放されています。

2021年には、アメリカ人の監督により本件を題材とした映画「わたしは金正男を殺してない」が公開されています。

まとめ

北朝鮮の第3代最高指導者候補だった金正男は45歳で非業の死を遂げています。

現在においても解明されていない点が多く、謎に包まれている事件により亡くなった彼の無念さは、筆舌に尽くしがたいものだったでしょう。

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