「洗脳」と「マインドコントロール」は混同して理解している方も珍しくありませんが、実は、違う意味合いを持っている言葉です。
同じような印象を抱きがちですが、実際には明確な違いがあるため、注意しましょう。
この記事では、「洗脳」と「マインドコントロール」の違いを分かりやすく説明していきます。
「洗脳」とは?
特殊な環境下に対象をおき、強制的な手段をもって、その人が持つ思想や考え方を変えてしまうのが「洗脳」です。
英語ではブレイン・ウォッシングと呼ばれています。
文字通り対象の脳に含まれる、これまでの情報を洗い落とすように働きかけ、新しい主義や思想を植え付けるのが特徴です。
用いる手段はいずれも強制的・積極的なもの。
具体的には、身体への拷問や精神的な虐待、強力な危険薬物を使う例も珍しくありません。
対象は極限状態に長時間されされた結果、従前とは正反対の考え・主張をもつことになります。
「マインドコントロール」とは?
「マインドコントロール」は精神を制御することです。
比較的ソフトな働きかけによって、本来とは違う精神状態になるように誘導します。
使う技法は会話や書籍など、日常的な活動の延長で行われるケースが中心。
相手に警戒させないようにして、精神的な隙を巧みにつき、コントロールしていくわけです。
集中力を高めると言ったプラスの作用と、他人の思う通りの行動をさせるマイナスの作用の両面があるとされます。
「洗脳」と「マインドコントロール」の違い
「洗脳」と「マインドコントロール」の違いを、分かりやすく解説します。
まず、「洗脳」は暴力や特殊な薬品などを使いますが、「マインドコントロール」はそうではありません。
後者の場合はセミナーやテレビ映像などを通して実施されるなど、被害者は日常生活を送る上で気付かないうちにコントロールされているケースも多いでしょう。
「洗脳」の場合は無理やり、力任せに思想を変化させますが、「マインドコントロール」は対象の深層意識に巧みに働きかけ、コントロールしていくわけです。
このように手法に違いがあるため、効果が生じやすいタイプにも差異が生じると言われます。
「洗脳」の方は強制的手段を使いますから、例えば屈強な軍人や、自信にあふれかえっている指導者などにも効果が期待可能です。
対して「マインドコントロール」は精神的な隙をつくため、何らかのトラブルや欲求不満を覚えている方が対象になりやすいと言われます。
特に劣等感やトラウマを抱えていたり、依存性が高かったりすると、「マインドコントロール」にかかりやすいようです。
まとめ
「洗脳」と「マインドコントロール」の違いについて紹介してきました。
強制力を使うかどうかなど、両者の違いは小さくありません。
一緒の意味だと考えていた方は、この機会に見直しておくと安心です。
細かい違いですが、正しく知っていると、社会においては他者からの信頼を得られる場面が増えてきます。