この記事では、「熱望」【ねつぼう】と「切望」【せつぼう】の違いを分かりやすく説明していきます。
「熱望」とは?
「熱望」とは、熱心に物事を望むことを指す言葉で、心からこのようになればいいという期待を胸に強く希望することを「熱望する」と言い表します。
このように、心から切実に物事が叶えばいいと願う状況としては目の前のことが自分にとって困ったことであり、改善したいと思う気持ちが強く出ている状態のときです。
なかなか自分が思っているようなことにならないときは継続的に渇望するほど心から自分の思っていることになってほしいときに使います。
かなり強く希望する気持ちが伝わる言葉でもあり、熱がこもった人々の願いは多くの人の願いとなって膨らみ、その期待が大きくなって問題を解決できるわけです。
「切望」とは?
「切望」とは、切実に物事を望むという人の願いを表すときに使う言葉で、心から強く望むことでそのようになればいいという気持ちを強く表します。
中途半端に願うのではなく、心の底から両手を合わせて必死に祈り、希望を受け入れてくれることを望むわけです。
使い方としては、「取引先に強く切望する」「願いが叶うよう私は切望する」と使い、いかに自分がこのようにしてほしいという願望を相手にしっかり受け入れてくれるように願います。
心から切に願う人の気持ちを強く言い表す「切望」は、なかなか相手に聞き入れられない状態を、今よりも良い方向へと向かわせるためさらに強く願いを込めて伝えるという意味もあり、自分の気持ちを受け入れられるよう何度も希望を伝えるときにも使われています。
「熱望」と「切望」の違い
「熱望」と「切望」の違いを、分かりやすく解説します。
自分が望むことを実現するために心から願うのが「熱望」で、「切望」は切実に願うという意味の違いがあります。
「熱望」の方がより深刻に望む気持ちが強く、願うときに使いますが、「切望」は普段から望むことが叶えばいいと希望する気持ちを伝えるときに使われています。
「熱望」の例文
・『戦争によって苦しんできた多くの市民は、停戦になることを強く熱望している』
・『私は食糧難で苦しむ多くの子供たちがお腹いっぱい食べられることを熱望する』
戦争で多くの市民が苦しんできたその現実に心を傷める人は早く停戦して、世界が平和になってほしいと強く願い、飢餓で苦しむ子供たちが救われて食事に苦しまないような世界になることを希望する気持ちを伝える気持ちを表します。
「切望」の例文
・『私はA社ではなく、自分の資格を活かせるB社に入社したいと強く切望する』
・『事故に遭った夫が危険な状態であるため、私は一目会いたいと医師へ切望し、やっとのことで対面できた』
A社の方が給料はいいですが、本当なら自分の資格を活かせるB社に入社したいと思う人が「切望」すると使います。
事故に遭った夫の死に目に会いたいと思う人が最期ぐらい対面したいと思う家族が医師へ心から頼むその気持ちを表します。
まとめ
強い期待を持ってそのようになってほしいと望むことを「熱望」と言い、そうあって欲しいと切に願うのが「切望」という違いがあります。
より熱心に希望が通るように願うときは「熱望」と使い、切実に心から願うときは「切望」を使うといいでしょう。