この記事では、「凋落」と「没落」の違いを分かりやすく説明していきます。
「凋落」とは?
「凋落」は、元々は花々が咲き乱れていて、その花々が急速にしぼんでいくことです。
よって「凋落」は急に勢いがなくなるだけで滅びてしまうことはないです。
何故なら、花々は急に萎んでも種を残していれば次に生まれ変わりが咲きますので滅びてしまうわけではありません。
ただ、これが、「没落」になりますと、ほぼ、絶滅しかけている状態になり、立て直しが難しい状態にあることを意味します。
「没落」とは?
「没落」は、元々栄光を極めていたものが落ちぶれていくことで、栄えている物が急速に落ちぶれることです。
しかも「没落」は、絶滅の可能性があり、例を挙げれば、「没落貴族」というのは、その世代で終わりとなる貴族のことで一応生きているだけの貴族です。
「凋落」と「没落」の違い
「凋落」と「没落」の違いは、落ちぶれるという点においては、同じですが、復旧できるかどうかが問題です。
「凋落」は、花と同じで、一度萎んでしまっても、種があれば、何とか次につながりますが、「没落」はもはや落ちるところまで落ちていますので、復旧して再度栄光を取り戻すのは難しいでしょう。
その為、「没落者」の結末は、破産だったり、悲惨な運命をたどることが多いです。
「凋落」の例文
・『わが社の自動車産業が、凋落状態にある』
この例は、自動車産業が落ちぶれている傾向にあるという例です。
ただ、この時点での言い回しでは、「凋落」という言葉を使用していることから会社を立て直せると考えています。
何故なら、「凋落」という言葉は立て直しが可能な範囲の落ちぶれた状態に当たるため、まだ立て直しは可能であると言えます。
「没落」の例文
・『わが自動車産業は没落した』
この例は、もはや自動車産業は立て直しできません。
何故なら、表現が「没落」とある様に完全に落ちぶれてしまっていて、立て直しはほぼ不可能な状態にあると言えます。
よって、会社を畳むか、国の管理下に入り仕事をして会社を維持するかになりますが、国の管理下に入れば、以前の栄光は完全に失われた状態に移行します。
まとめ
「凋落」と「没落」に関しては、立て直しが効く落ちぶれ方か、そうではないかと考えると分かりやすいです。
「凋落」は花々がしぼんでしまうが、種が残っているが故、再度返り咲きができますが、「没落」は残念ながら、落ちるところまで落ちていますので、這い上がることはもはや不可能であると言えます。
よって両者の違いは落ちぶれ方です。
ただ、「没落者」側が、あり得ないくらい高い技術を持ってますとなれば、話は変わり、再度栄光を極めることはあり得ますが、どちらにしろその技術を安く買いたたかれるため、這い上がれるかどうかは未知数になります。
そう言った意味では、自分の置かれている立場が返り咲き可能だと述べている、「凋落」の方が、立て直しが可能なので安心できる要素は多いと言い切れます。