「される」と「なさる」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきます。
「される」とは?
「される」は、「する」の敬語表現です。
「勉強する」を「勉強される」と言い換えることで、敬語表現にできるのです。
この「される」を使用する場合には、注意すべきことがあります。
それは、受け身の表現と同じ言葉になってしまう事です。
たとえば、「相談される」と書くとどうでしょうか。
これだけでは、「相談する」の敬語表現なのか、受動表現なのかを識別できないのです。
「相談」のように、動作主体をどちらとも取れるような言葉の場合に、誤解を招きやすいと言えるのです。
「なさる」とは?
「なさる」も、「する」の尊敬語です。
「勉強する」を「勉強なさる」と言い換えることで、敬語表現にできるのです。
この「なさる」を使用した場合は、「される」を使用した場合のように受動表現と混同することはありません。
明示的に敬語表現として認識することが可能なのです。
また、「する」の敬語表現としては、「される」よりも敬意の程度が高いものとして扱われます。
そのため、誤解を招く可能性が低く、敬語の程度が高いというメリットだけがあるのです。
このことから、迷う場合は「される」ではなく「なさる」を選択するのが無難だと言えるでしょう。
「される」と「なさる」の違い
それでは「される」と「なさる」の違いはどこにあるでしょうか。
二つの言葉の意味は同じですし、敬語であるという点も同じです。
しかし、ひとつ目の違いは敬語の程度にあります。
「なさる」のほうが、より丁寧な表現と言えるのです。
そして、もうひとつの違いは受動表現との混同しやすさにあります。
これは「される」が受動表現と敬語表現の混同を招きやすいと言えます。
このように同じ敬語で同じ意味を持つ二つの言葉でも、特性が違うことが分かったはずです。
使い方に悩うこともありますが、「なさる」を選択することが無難だということを覚えておくとよいでしょう。
「される」の例文
ここでは「される」の例文を挙げていきます。
例文からも、場合によっては受動表現と見分けがつかなくなることが分かるはずです。
・『一生懸命に勉強される』
・『毎日のように発信される』
・『明日の段取りを会話される』
・『人事異動の件を相談される』
「なさる」の例文
ここでは「なさる」の例文を挙げていきます。
例文からは、「される」と同じような使い方ができることが分かるはずです。
また、受動表現と混同せずに使用できることも分かります。
・『一生懸命に勉強なさる』
・『毎日のように発信なさる』
・『明日の段取りを会話なさる』
・『人事異動の件を相談なさる』
まとめ
このように「される」と「なさる」は、どちらも「する」の敬語表現として使える言葉です。
しかし、「される」は受動表現と混同される可能性が高く、場合によっては識別できないこともあります。
そのため、「される」と「なさる」の違いを正しく認識して、上手に使い分けることをおすすめします。