ビジネスでも尊敬語をよく使いますが、そんな中でも使い方に迷う表現が存在します。
今回は代表的な2つについてご紹介したいと思います。
この記事では「言いわれる」と「おっしゃる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「言われる」とは
これは『言う』という言葉の尊敬語です。
尊敬語である為、このままでも十分丁寧な表現ではありますが、現在のビジネスシーンではよく知っている間柄の上司と部下、社外の方との会話で使うケースが多いものです。
例えば何か自分の意見と対立するコメントや発言があった場合に『言われることは理解するのですが、私としては〇〇と考えております』の様に使ったり、目上や上司、社外の方を肯定するときに『〇〇さんが言われることはごもっともです』などの様に使います。
実際のビジネスシーンやドラマ、映画でもこの表現はよく見られる為、あまり意識をせずに使っている方も多いのではないでしょうか。
「おっしゃる」とは
これも『言う』の尊敬語です。
しかしながら現在のビジネスシーンではあまり良く相手を知らない目上の方や役員クラスの上司、社外の方に対してよく使われている表現です。
与える印象はとても畏まったものですので、親しい間柄に対して使うことはない言葉です。
一般的には相手の発言を肯定する『おっしゃる通りです』や発言を聞き逃したり、理解できなかった為にもう一度確認したい場合などに『もう一度おっしゃっていただけませんでしょうか』という表現は一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
この言葉を使う場合に注意をしたいポイントは『おっしゃられる』という『られる』を付け足してしまうことです。
これはよく耳にするものの文法的には間違えている表現ですので、気を付けましょう。
あくまでも『おっしゃる』が正しい尊敬語です。
「言われる」と「おっしゃる」の違い
どちらも『言う』の尊敬語でビジネスシーンではよく使われています。
尊敬語という概念の上ではこの2つに優劣はありませんが、相手に与える印象は『おっしゃる』の方が丁寧で尊敬の意を込めているとされています。
しかしながら上司や目上の方、社外の方でも親しい関係にある方に使うとやや畏まりすぎたイメージを与えかねない為、注意をしたい発言です。
「言われる」の例文
・『高橋さんの言われた通りに進めたら案件が上手く進みました』
・『言われることはわかるのですが、今はそのタイミングではないと考えます』
・『田畑部長が言われるようにターゲット顧客の選定を進める必要があります』
・『明日の会議は昼礼後に行うと南課長が言われていました』
『おっしゃる』の例文
・『坂本様がおっしゃるご指摘は弊社として真剣に検討をしております』
・『営業戦略について会長がおっしゃることは的確であったと認識しております』
・『もしもご不明な点ございましたら遠慮なくおっしゃって下さい』
・『大変申し訳ございませんんが、もう一度おっしゃって頂けませんでしょうか』
まとめ
如何でしたでしょうか。
同じ意味を持っている尊敬語のはずなのにビジネスシーンでは与える印象が違うという面白い表現が『言われる』と『おっしゃる』でした。
今後仕事の上でこの表現に意識をすると意外な人間関係を読み取ることができるかもしれません。
是非試してみてください。