「最善」と「最適」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「最善」と「最適」の違いとは? 言葉の違い【2語】

この記事では、「最善」「最適」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「最善」と「最適」の違い

「最善」とは、他のどのものよりもよいことです。

「最適」とは、他のどのものよりも適していることです。

どちらの言葉にも、もっとも、いちばんを意味する漢字である「最」が使用されており、どちらの言葉にももっとも、いちばんという意味が含まれていますが、何についていちばんなのかという点で意味が異なります。

「最善」の場合は、「最」のあとに「善」という漢字が使用されています。

「善」は、よい、正しいという意味を持つ漢字です。

漢字の意味の通り、もっともよいという意味を持つ言葉です。

「最適」の場合は、「最」のあとに「適」という漢字が使用されています。

「適」は、ふさわしい、あてはまるという意味を持つ漢字です。

漢字の意味の通り、もっともふさわしい、もっともあてはまるという意味を持つ言葉です。

「最善」と「最適」の使い方の違い

他のものと比べて、他のどのものよりもよいという意味で「最善」を使用します。

「よい」には、いくつもの意味がありますが、この場は、向いている、正しいという意味になります。

他のものと比べて、他のどのものよりも適切であるという意味で「最適」を使用します。

状況や目的にぴったりとあうことです。

「最善」と「最適」の英語表記の違い

「最善」は英語で“best”と表現をします。

「最適」は英語で“optimum”と表現をします。

「最善」の意味

「最善」には、他のどのものよりもよいという意味があります。

「よい」には、質が高い、美しい、健康である、効き目がある、向いている、好ましい、さしつかえない、十分であるなど、いくつもの意味が存在していますが、「最善」が意味する「よい」とは向いている、正しいことです。

がんにかかったことで考えてみます。

がんにかかったときには、手術をしてがんの部位を取り除く、放射線治療を受ける、抗がん剤治療を受ける、放置するなど、いくつかの選択肢があります。

人それぞれがんのステージや部位が違うので、どの方法がもっともよいのかは違います。

いくつかある中で、この人にとってもっともよいであろうと思えるものが「最善」です。

手術や抗がん剤治療などで治るなら、そういった治療を受けることが「最善」かもしれませんが、必ずしも治療を受けることが「最善」なのではなく、残りの人生を楽しみたいから、苦しい治療は受けたくない、治療を受けても治る見込みはないから治療は受けないということもあり、そのときどきによって何がよいのか変わってきます。

また、もっともよいと思っていたことを実際にやってみると、よくなかったということもあります。

「最善」には、やってみた結果がどうなのかという意味は含まれていません。

「最善」の使い方

いくつかの物事があり、その中から一番よいものについて使用をします。

主に方法についていいます。

何がよいのかというはっきりとした基準はなく、そのときどきでよいものは変わってきます。

また、人それぞれ考えが違うので、ある人がもっともよいと思ったことを、他のある人はよいとは思わないこともあります。

そうであっても、そのときに一番よいと思うのであれば、使うことができる言葉です。

「最善」を使った例文

・『試行錯誤して最善を決めることができた』
・『最善を見つけるための時間はあるはず』
・『子どもを伸ばす最善の方法』
・『これが最善だと思います』

「最善」の類語

「最良」が類語です。

内容や実質がよいという意味があります。

「最善」の対義語

「最悪」が対義語です。

もっとも悪い状態のことです。

「最適」の意味

「最適」には、他のものと比べて、他のどのものよりも適切であるという意味があります。

洗顔料のことで考えてみます。

洗顔料には、保湿系、さっぱり系、ニキビ肌用、敏感肌用などがあります。

乾燥肌に悩んでいる人は、肌の潤いを守りながら洗うことが、これ以上肌を乾燥させないために大切なことなので、保湿系の洗顔料が適しています。

複数ある洗顔料の中で、一番あっているものが保湿系の洗顔料です。

この一番あっているもの、適切なもののことを「最適」といいます。

乾燥肌の人は、敏感肌用の洗顔料もあわないことはありません。

敏感肌用の洗顔料は、肌への刺激を抑えるような成分が使用されており、潤いを奪い過ぎないようになっています。

しかし、敏感肌用なので敏感肌に一番あうようになっており、いくつかある洗顔料の中では、乾燥肌の人にとっては2番目くらいにあっているものといえそうです。

2番目にあっているものは「最適」ではありません。

乾燥肌にとっては、敏感肌用の洗顔料は「最適」とはいえないかもしれませんが、敏感肌にとっては「最適」ということができます。

何が一番適しているのかは、そのときどきによって変わります。

たとえば、ランチのメニューを選ぶことだと、貧血の人にとっては貧血改善のためにレバーなど鉄分を多く含むメニューが適していますが、鉄分を普段から多く摂っている人にとっては、摂りすぎになってしまうので適していません。

このように、一番適していることは、そのときどによって異なります。

「最適」の使い方

他のものと比べて、他のどのものよりも適切であることについて使用をします。

他のものと比べてなので、他にいくつかの選択肢が存在することになります。

「最適」を使った例文

・『腰痛の人に最適な設計の椅子』
・『今の季節に最適なスカートです』
・『勉強に最適な環境を整えています』
・『酒造りに最適な米を選ぶ』

「最適」の類語

「適切」が類語です。

ぴったりあっているという意味があります。

「最適」の対義語

「不適切」が対義語です。

「不」には打消しの意味があり、「不適切」はその場の状況や話題にあっていないという意味があります。

まとめ

もっとも、いちばんという意味を持つ2つの言葉ですが、何がいちばんなのかという点で違います。

「最善」はよいこと、「最適」はぴったりあっていることです。

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