この記事では、「冤罪」と「濡れ衣」の違いを分かりやすく説明していきます。
「冤罪」とは?
「冤罪」は「えんざい」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「罪を犯していないのに疑われること」という意味で、身に覚えがないことで疑われたり、犯罪者であると決めつけられてしまうことです。
2つ目は「無実の人が犯罪者として逮捕され、裁判により有罪判決を受けて罰せられること」という意味で、無実の人が被疑者となり、裁判で有罪が確定して刑罰を受けることです。
上記に共通するのは「無実の人が犯罪者にされる」という意味です。
日本の法律上は警察の捜査→起訴→裁判→判決の順番で進められますが、どのの時点でも無罪の人が対象となっていれば「冤罪」と呼ばれます。
「冤罪」の使い方
「冤罪」は名詞。
・形容動詞として「冤罪だ・である」「冤罪を負わされる」「冤罪に問われる」などとつかわれます。
基本的に、罪を犯していないのに犯人だと疑われることや、無罪の人に有罪判決が下りて刑罰を受けることに使われる言葉です。
「濡れ衣」とは?
「濡れ衣」は「ぬれぎぬ・ぬれごろも」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「濡れた衣服」という元の意味で、水で濡れて身体にへばりつく衣服のことです。
2つ目は「身に覚えのない罪を負わされること」という意味で、上記で紹介した「冤罪」と同じ意味です。
3つ目は「根拠のない噂」という意味で、自分にとって不利な噂が立つことです。
4つ目は「身に覚えのない浮名を流されること」という意味で、何もしていないのに遊んでいると噂されることです。
上記に共通するのは「身に覚えのないこと」という意味です。
「濡れ衣」の由来は、8世紀の日本で起きたとされる言い伝えから来ています。
ある父親に、美しい娘がいましたが、あまりの美しさから父親の再婚相手に妬まれてしまいます。
再婚相手は漁師にお金を渡して「娘に釣り衣を盗まれた」と訴える様に仕向け、娘が眠っている間に漁師の濡れた衣を被せました。
父親は娘のことを信じずに、命を奪ってしまったという物語です。
「濡れ衣」の使い方
「濡れ衣」は名詞・形容動詞として「濡れ衣だ・である」「濡れ衣を着せられる」などと使われます。
基本的に、身に覚えのない罪を負わされることや、根拠のない噂を流されることに使われる言葉です。
「冤罪」と「濡れ衣」の違い
「冤罪」は「罪を犯していないのに犯人だと疑われること」「無罪の人に有罪判決が下りて刑罰を受けること」という意味です。
「濡れ衣」は「身に覚えのない罪を負わされること」「根拠のない噂を流されること」という意味です。
「冤罪」の例文
・『日本の刑事事件上最も悲惨な冤罪判決だ』
・『冤罪により社会復帰ができなくなる』
・『刑務所から冤罪をうったえつづけて再審が認められる』
・『それは完全な冤罪というものだ』
「濡れ衣」の例文
・『上司からミスの濡れ衣を着せられる』
・『私が痴漢したというのは濡れ衣だ』
・『屁をこいた濡れ衣を着せられる』
・『万引きの濡れ衣を着せられ黙っていられない』
まとめ
今回は「冤罪」と「濡れ衣」について紹介しました。
「冤罪」は「無罪なのに疑われたり、有罪が確定すること」、「濡れ衣」は「無罪なのに疑われること」と覚えておきましょう。