ビジネスシーンでは、イベントや会合などで招待客を呼ぶ必要があるケースは少なくありません。
「ご臨席のお願い」というフレーズもそれに関わる表現であり、これより説明したいと思います。
「ご臨席のお願い」とは?
「臨席」は「りんせき」と読み、ほぼ「出席」と同じ意味です。
「臨」は「臨む」「のぞむ」という使い方をされるように、「その場に居る」という意味合いがあり、「臨床」「りんしょう」などの言葉で使われる傾向があります。
また、「ご臨席」の「ご」は、臨席するのが「相手」ですので、この場合は尊敬表現を作る接頭辞として機能しています。
一方で、「お願い」は「願うこと」という、「願う」という動詞の連用形(この場合連体形ではない)による名詞的用法に、「目上の相手に対して願う」ということから、自分側の行為であったとしても謙譲表現としての接頭辞「お」が付いた形です。
以上のことから、「ご臨席のお願い」とは、「出席を願うこと」という意味の敬語表現になります。
「ご臨席のお願い」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズが使用されるのは、企業の催事や会合、または個人の冠婚葬祭などのケースです。
相手に出席して欲しい場合に、それを要請するメールや手紙などの冒頭や件名で使われます。
基本的に口語で使用されることは稀ですので、文章形式での表現と考えて構いません。
例えば、企業の創立記念日の招待状の冒頭に「創立50周年記念パーティーへご臨席のお願い」のような形で使用されます。
「ご臨席のお願い」を使った例文
上記以外で考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『結婚披露パーティーへご臨席のお願い』
・『緊急会議にご臨席のお願い』
「ご臨席のお願い」の類語による言い替え
「臨席」については、「出席」で言い替えられることはおわかりかと思います。
他に考えられる類語としては、「参加」や「列席」などが「出席」とほぼ同じ意味ですので該当します。
これに、尊敬表現の接頭辞「ご」を付けて「ご参加」や「ご列席」で言い替えます。
一方で「願い」については、「心より願う」という意味の「懇願」「こんがん」などでは強すぎるため、「依頼」「いらい」が「願い」のレベル的にも適切と言えます。
よって「依頼」に、この場合は先程と逆に、目上の相手に対しての「依頼」ですから、謙譲表現を意味する接頭辞「ご」を同様に付けた「ご依頼」で代用しましょう。
以上のことから、「ご参加のご依頼」や「ご列席のご依頼」が言い替え表現として挙げられます。
まとめ
「ご臨席のお願い」とは、催事や会合に出席してもらいたい相手に対する、招待状の冒頭やメールの件名に用いるための表現です。