ビジネスにおいて何かを頂くときに使う謙譲語をつかう表現も多くあります。
この記事では「頂戴致します」について分かりやすく説明していきます。
「頂戴致します」の意味
実はこの表現、敬語が連続で使われている為、本来であれば適切ではないとされている表現です。
詳しく見ていくと『頂戴』という謙譲語に更に『致します』という謙譲語が連続して使われているからです。
しかしながら言葉の面白い側面である『いつの間にか習慣的になってしまう』が適応された表現なのです。
さて意味に戻りますとこれは『立場が上や目上の人から何かしらの物品や好意を頂くことを感謝を込めて受理する』になります。
例えば上司やクライアントから称賛の言葉を貰った時に『お褒めの言葉を頂戴致しまして大変恐縮しております』などの様に表現します。
この様に畏まって感謝を伝えながら相手からの申出や贈り物を受け入れるのが『頂戴致します』という表現です。
「頂戴致します」の使い方
ビジネスシーンにおいても基本は同じ意味を持ちます。
しかし使う場面は意外にも限定されており、社内では式典やお祝いの席などのフォーマルな場面で使い、社外においては初めてお会いする方や役員クラスなどの立場が上の人間に対して使います。
社内でも社外でも親しい間柄で使用すると畏まりすぎる表現になる為、使わない方が無難です。
例えば社外で名刺交換をするときに『お名刺を頂戴致します』と言ったり、相手からお土産などを頂く時に『謹んで頂戴致します』という形で使います。
実は誤用もよくある表現であり、注意が必要です。
一つ目は会計時に『〇〇円頂戴致します』という表現を聞くことがあると思いますが、これは誤用です。
なぜなら『頂戴致します』としてしまうとおつりがないことになってしまうからです。
この場合は『お預かりいたします』に切り替える必要があります。
また、相手の名前を聞く時に『お名前頂戴致します』という表現もありますが、これもNGです。
なぜなら名前は貰うことができないからです。
正しくは『伺う』になります。
この様に誤用の落とし穴もありますので気を付ける必要があります。
「頂戴致します」の言い換え表現
非常に畏まった表現である『頂戴致します』はなかなか使いどころが難しいですが、『頂きます』という表現は日常会話でもビジネスシーンでも使うことの出来る汎用的な言葉です。
また、『賜ります』や『拝受します』という更に畏まった表現も存在しますがこれらはほとんど使うことがなく、非常に厳格でフォーマルなシーンでのみ使う言葉です。
「頂戴致します」の英語表現
『貰う』という英語表現は『Get』、『Have』、『Receive』がありますが感謝を込めて頂くという意味では『Accept ~ with gratitude』(感謝を添えて受け入れる)があります。
例えば『I am happy to accept your kind comment with gratitude』とすると『あなたの親切なお言葉を頂戴致し、うれしく思います』という意味になります。
単語一つ一つでは日本語と違い丁寧な表現があまりないのが英語ですが、この様に形容詞などを組み合わせて言葉の表現に幅を持たせることができます。
まとめ
如何でしたでしょうか。
なかなか使いどころが難しく、だれもが一度はやってしまいがちな誤用の落とし穴も存在しているのが今回の『頂戴致します』でした。
是非正しい使い方を理解すると同時に言い換えの表現と上手く使い分けをしてみて下さい。