「鉄鉱」と「鉄鋼」の違いとは?分かりやすく解釈

「鉄鉱」と「鉄鋼」の違いとは? 言葉の違い【2語】

この記事では、「鉄鉱」「鉄鋼」の違いを分かりやすく説明していきます。

「鉄鉱」とは?

鉄を含む鉱石のことを指し、この段階で鉄製品になることはありません。

鉄の酸化鉱物の一種であり、強い磁性を持っている磁鉄鉱、酸化鉱物の一種で製鉄原料として最も多く使われている赤鉄鉱、天然の錆でもある褐鉄鉱などがあります。

製鉄所の高炉にて鉄鉱石を熱処理して、鉄を取り出す作業が行われますが、現在では赤鉄鉱をメインに製鉄が行われており、石灰石と石炭から作られたコークスと混ぜて製鉄します。

溶けた状態で不純物と分離させることで純度の高い鉄が製鉄されますが、高性能な溶鉱炉が必要となっています。

なお、鉄鉱は鉄鉱石とも表記できます。

日本は鉄鉱は産出されておらず、輸入に頼る構造となっています。

「鉄鋼」とは?

鉄鉱石を製鉄所において加工して作られた鉄材のことで、鉄を主成分とする金属材料の総称となっています。

原料である鉄鉱石の段階から高炉によって銑鉄にして、この銑鉄には足りない粘り強さを追加するため転炉によって精錬を行います。

電気炉、鋳造設備を通して鉄鋼製品となります。

鉄鋼は業界の枠組みとなるほど大きな規模のものとなっており、鉄鋼業界という言葉が存在しています。

鉄鋼製品も進歩しており、張力の高く強度の高いハイテンという鋼板は超ハイテンなどへと進化しており、自動車などに使われています。

カーボンやアルミを自動車に本格的に使われる時代が来るという予測もありましたが、価格から鉄鋼による自動車製造が有力のまま、さらに性能を向上させています。

一方、日本の鉄道車両はステンレスが主体となっており、鉄鋼製品のジャンルからはやや外れた部分があります。

「鉄鉱」と「鉄鋼」の違い

「鉄鉱」「鉄鋼」の違いを、分かりやすく解説します。

鉄鉱は加工前の採掘されている状態、鉄鋼は加工を行ったもので鋼板や線材、レールなどとして使われており、製品の段階になります。

鉄鉱のまま製品になることはなく、製鉄所での様々なプロセスを経て鉄鉱になります。

製鉄所は非常に規模が大きく、数は少なくなっています。

鉄鋼から鉄鉱に戻すことはできず、不純物が混ざった状態、分離を高炉で行うなどのプロセスがあることから、鉄鉱に戻す必要自体がないと言えます。

鉄鋼は高張力鋼であるハイテンを中心に性能向上を進めており、自動車での進歩が著しいジャンルとなっています。

鉄鋼自体はリサイクルが可能で選別、不純物の取り除きを行い、再び鉄鋼となりますが、ここでも製鉄所が使用されます。

鉄鋼は磁気による選別ができる点がリサイクルにおける強みと言えます。

まとめ

鉄鉱と鉄鋼はともにてっこうと読む言葉ですが、明らかに段階が異なっており、製鉄所で精錬される前のものが鉄鉱、精錬を受けて製品になるものが鉄鋼という多くな違いがあり、外見的にも全く異なっていて、石、結晶的なものが鉄鉱、鉄板やレールなどが鉄鋼と言えます。

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