この記事では、「通じて」と「通して」の違いを分かりやすく説明していきます。
同じような言葉を区別していきましょう。
「通じて」とは?
通じて(つうじて)とは「~をつなぎ役にして」のこと。
自分と相手を結び付けている人やサービスをあらわします。
また「その期間すべて」という意味もあります。
もともと「通じて」は「通ずる」が変化した言葉です。
通ずるには「つながる」という意味があります。
ゼロだった関係に道筋を付けてくれたもの、パイプ役として働くものが「通じて」です。
「和食を通じて、日本の文化が広まった」や「共通の知人を通じて、知り合った」などと使います。
仲介してくれている人、媒介している物をあらわす言葉です。
「通して」とは?
通して(とおして)とは「その期間ずっと」のこと。
おもに時間帯やシーズンをあらわす表現です。
「沖縄は1年通して、温暖なエリアだ」や「あの野球選手はシーズン通して絶好調だ」と用います。
時間をあらわす言葉と、セットにして用いるのが「通して」の特徴になります。
もともと「通して」は「通す」という言葉を、変化させたものです。
「通す」には「つらぬく」という訳があります。
そのため最初から終わりまで、やりとおすこと。
そのまま続けるのが「通して」になります。
粘り強く何かをやり遂げたときなど、褒め言葉としての一面もあります。
「通じて」と「通して」の違い
どちらも「通す」という漢字があるので、区別を付けにくいです。
「通じて」と「通して」の違いを、分かりやすく解説します。
・「通じている」は、精通していること
「通じて」と「通して」は、見た目はとても良く似ています。
「通じて」は何かを媒体にした場合に使います。
自分と相手との間に、橋渡しするものがあるのが「通じて」です。
「SNSを通じて、知り合った」などと使います。
一方で「通して」は「~の間ずっと」という継続の意味があります。
「このジャケットは年間通して、ご使用いただけます」などと使います。
また「通じている」というと、その物事を詳しく知っていること。
精通しているという意味になります。
その分野での専門家をあらわします。
そして「心と心が通じて」というと、以心伝心のように、お互いに気持ちが伝わり合う親密な関係をあらわします。
まとめると、何かと何かを繋げているものが「通じて」。
その期間全体をあらわすものが「通して」です。
「通じて」は他の人が知らないような、細かい情報まで知っていることも含みます。
まとめ
「通じて」と「通して」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「通じて」とは「~から」のこと。
何かを通して、新しい物や情報、コネクションを手に入れることです。
そして「通して」は「その間ずっと」を指します。
おもに全体の期間をあらわします。
また「通じて」はその分野に詳しいという意味もあります。
区別をつけて、文の達人をめざしていきましょう。