「請求権」と「請願権」の違いとは?分かりやすく解釈

「請求権」と「請願権」の違いとは? 言葉の違い【2語】

この記事では、「請求権」「請願権」の違いを分かりやすく説明していきます。

「請求権」とは?

「請求権」とは他人に対して何らかの行為をするよう求められる権利です。

特に人権問題の場合、自分が人権を侵害された場合に、その救済を求められる権利を指します。

たとえば誰かに自分の人としての権利が侵害されているけど、相手がそれを認めないという場合には、公平な第三者が公的に結果を判断して欲しいという救済を国に求めることができます。

これによって開かれるものが裁判です。

本当に人権が侵害されていると認められたなら、人権を侵害した相手はなんらかの償いをするよう、国から強制力を持って命じることまで求められるのが「請求権」になります。

国はすべての人が人間としての権利を持つことを認め、それを尊重し守るというのは、国のルールの根幹となる憲法で定められているものですが、その人権を守るための手段の一つとして存在している権利の一つが「請求権」です。

「請願権」とは?

「請願権」とは国や地方の公共団体に対して、何らかのお願いをすることができるという権利です。

当然ですがあまりにも私的な願いは、請願する権利はあっても、まず実現しません。

あくまでもお願いをするだけであり、それに強制力はないからです。

それを叶えた方が国や地域にとって好ましい結果に繋がると考えられれば、その願いは叶えてもらえる可能性があります。

たとえば近所の交差点は見通しが悪く事故が何度も起きているから、事故防止に信号機やカーブミラーを設置して欲しい、という要望を市役所などに申し入れるのが「請願権」の行使です。

国民が何を望んでいるか、市民は生活をより良くするために何をしてほしいかを直接国相手に伝えることができるので、非常に重要な権利と言えます。

「請求権」と「請願権」の違い

「請求権」「請願権」の違いを、分かりやすく解説します。

人権侵害からの救済を求めるための権利が「請求権」で、国や公共団体にお願いをするための権利が「請願権」です。

「請求権」は人権が関わる問題を解決してもらいたい場合にしか使えませんが、「請願権」は人権が関わらない問題を解決してもらいたい場合にも行使できます。

また「請求権」は国に対して何かをすることを求める場合も、個人に対して求める場合もありますが、「請願権」はその地域の政治や公共設備などを管理している、公的な組織に対してしか行使できないというのも違いです。

まとめ

「請求権」は人権が侵害されたことへの救済を求めるための権利であり、侵害した相手に直接償いを求めることもできれば、第三者の立場にいる国に対して、救済のための手助けを求めることも「請求権」に含まれます。

対して「請願権」は国などに対して、生活の上でこういうことが不便だから改善して欲しいとお願いする権利であり、国に対して求めているとも言えますが、権利としては別物です。

それぞれどんな権利に基いているかをしっかり理解し、適切に権利を行使する必要があるでしょう。

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