純真無垢な人に出会うと、自分も誠実に対応しようという気持ちになり、心が洗われます。
その人は「素直」な性格なのか、「正直」な性格なのか、どちらか分かりますか。
同じような言葉ですが、どちらの言葉を使うかによって印象が変わります。
この記事では、「素直」と「正直」の違いを分かりやすく説明していきます。
「素直」とは?
性格や態度にひねくれたところがなく、あえて人に逆らわないことです。
また、技芸などに癖がない様子、物の形がまっすぐであること、飾り気がなくありのままの姿である様子を意味します。
「素直」の使い方
「素直」は「素直」な気持ち、「素直」な性格というように人の様子だったり、「素直」な茎立ち、「素直」な筆使いというように物や技に対して使ったりします。
相手を褒めるなど良い言葉として使うことが多いでしょう。
「正直」とは?
嘘やごまかしがなく、裏表がないことを意味します。
名詞だけではなく副詞としても使えます。
「正直」の使い方
「正直」は「正直」な気持ち、「正直」な性格というように人の様子を表し、「正直」な話、正直者、正直一遍などの言葉もあります。
「素直」と「正直」の違い
「素直」はいくつか意味があり、人だけではなく物や技芸にも使いますが、「正直」は嘘がないという一つの意味だけで、主に人に対して使います。
「素直」は良い意味で使うことが多いですが、「正直」は良い意味でも悪い意味でも捉えられます。
「素直」はあえて人に逆らわないという意味が含まれますが、「正直」は自分に嘘をつかないだけです。
そのため、人に逆らうことも多くなるでしょう。
「素直」な人と言われれば、好印象をもたれていますが、「正直」な人と言われれば、わがままできついと思われている可能性があります。
「素直」の例文
「素直」は多くの場面で使います。
言われた方も褒め言葉として受け取り、喜ばれるでしょう。
・『あなたの素直で明るい性格を見習いたいと思います。』
他人を妬んでひねくれたりはせず、相手を尊敬できる人は好かれ、却って尊敬される人間になります。
・『私の髪の毛は素直で扱いやすく、色んな髪形を試せます。』
反対に、頑固な髪の毛の人は、パーマもすぐに取れて思い通りになりません。
「正直」の例文
「正直」は言われて嬉しく思う場面と、嫌味に思われる場面が生じます。
・『正直に言うと、彼はよく威張っているのであまり好きではありません。』
「正直」に言うということは、お世辞も言わないので覚悟して聞くことになり、秘密にしなければならないことも多くなります。
・『あなたは相手が誰であろうと、とても正直な人ですね。』
このように言われたときは嫌味の可能性が高いでしょう。
上司であろうと初対面の人であろうと、自分の気持ちを正直に言いすぎるのは危険です。
・『あなたが嘘をつかず、正直に罪を認めたところは偉いと思います。』
子どもが失敗をしたときは、いつも「正直」であるように教えることが多いでしょう。
この例文では「素直」に言い換えても同じような意味になります。
まとめ
「素直」と「正直」は似ている表現ですが、相手に与える印象や意味が変わってきます。
相手のことを褒めたいと思っているときには「素直」を使うと、たくさんの意味が含まれるので相手も喜ぶでしょう。
誰に対しても「正直」過ぎるのは良くありませんが、「正直」に悩みを打ち明けたり、「素直」に意見を聞けたりする人は、ストレスも減り、色んなことを吸収できます。
どんな時でもその心を忘れないようにしましょう。