この記事では、「拝見させていただきます」を分かりやすく説明していきます。
「拝見させていただきます」とは?意味
「拝見させていただきます」は、見るという言葉の謙譲語に当たり中身を確認させていただくという意味なのですが、実はこの言葉、問題がありまして、拝見という行為が謙譲語でありつつ、さらに、いただきますという部分も実は謙譲語であるため、2重敬語という禁忌に触れています。
2重敬語とは、敬語を連発することで相手に対して敬意を押し売りするというもので望ましい言葉ではありません。
「拝見させていただきます」の上司や目上に使うときの注意点
「拝見させていただきます」は、言葉自体があまりよろしくない表現で、2重敬語ですので、上司や目上の方に使用してはいけません。
なぜなら、敬語による行為の押し売りになるため、2重敬語という不必要に相手に敬語を使用して親切心を押し売りすることになるため、望ましいのは、上司であろうと目上の方であろうと、「拝見します」とだけ述べるのが正しい日本語です。
「拝見させていただきます」を使った例文
・『拝見させていただきますとあるが、これほど恩着せがましいものはない』
この例は、言葉の解釈のことを指しており、2重敬語であるが故恩着せがましいという例です。
「拝見させていただきます」は、拝見が見るという行為をへりくだって述べており、そこにいただくという言葉でさらにへりくだるが故、自分をあまりにしたに見過ぎになります。
よってこの場合、「拝見します」で十分です。
・『部長、資料については今拝見させていただきます』
この例は、部長という人物について資料を今から見ようとしている所ですというもので、この例においては部長という目上の立場の者に対して自分の立場をかなり下にしてから、閲覧するという仕事をさせてもらっているという意味になるので仕事を行うこと自体が恩着せがましいのでふさわしい表現ではありません。
この例は、「今から拝見します」とだけ述べれば十分です。
「拝見させていただきます」の返答や返信例
この言葉に対する返答については、相手側は上の立場なのでよろしく頼むなどで十分なんですが、上司側としては相手側はかなり卑屈に物事をとらえていて仕事をやらせてもらっていますというような態度だと言える日本語の使い方なので言葉の修正をしてあげる優しさを上司が見せるのもよい返信例で、言葉遣いが間違っていると述べてからよろしく頼むと述べるとよいでしょう。
まとめ
「拝見させていただきます」ですが、2重敬語という概念がありまして、この概念は簡単に言えば、卑屈に物事をとらえていると解釈すればわかりやすいです。
たとえば、「仕事をさせていただきます」という言葉も実は仕事というものを自分という存在に与えられているのではなく、お情けで与えられていると解釈するのがいただきますになるので謙譲語というのは重なれば重なるほど自分を卑屈にします。
よって、正しくは、「拝見します」が望ましく、この方法であれば、見るという行動について自分をした手にしていますが、何をという部分が存在しないため、あまり卑屈に聞こえません。
この何を動詞にすると卑屈に聞こえやすく、「僭越ながら拝見させていただきます」と言えば、これは、僭越が出過ぎたことをするという動詞であり、かつ「拝見させていただきます」の2重敬語をプラスするともはや超絶な卑屈でしかないわけです。
