「承認」と「許可」は類似した意味合いを想起させる区別しにくい二つの言葉ですが、「承認」と「許可」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「承認」と「許可」の意味の違いを、例文も交えながら説明していきます。
「承認」の意味や使い方
「承認(しょうにん)」という言葉は、「ある事柄が正当・事実であると認めること」を意味しています。
「承認」という法令用語の意味は、「当事者のある行為・事項や事実確認について、公的機関が適当(正当)であると判断して肯定すること」になります。
「承認」の言葉の使い方は「提案した意見が承認されました」のように、「ある事柄が正当(事実)であると認める場合」に使うことができます。
あるいは「県知事による承認が必要です」の例文のように、「当事者のある行為や事実を、公的機関(その代表者)が適当であると肯定する場合」に「承認」の言葉が使われます。
「許可」の意味や使い方
「許可(きょか)」という言葉は、「(権限・資格を持つ人が)ある行為について、その行為をしても良いと許すこと」を意味しています。
「許可」という法令用語の意味は、「法令等で禁止された行為について、特定の条件下でその行為を許したり禁止を解除したりする行政行為」になります。
「許可」の使い方は「許可がなければ営業はできません」のように、「ある行為をしても良いと許す場合」や「法令で禁止された行為を特定の条件と引き換えに許す場合」に使うという使い方になります。
「承認」と「許可」の違い
「承認」と「許可」の意味の違いを、分かりやすく解説していきます。
「承認」も「許可」も「ある物事・行為を認めたり許したりする意味合い」を持っていますが、「承認」という言葉は「許可」よりも「本来は法令等で禁止されている行為を特定の条件によって許す、合法化する」という意味合いが強くなっています。
「承認」の表現は「ある行為を正当であると認めたり、ある物事が事実であることを肯定したりすること」に意味の重点があります。
それに対して、「許可」という言葉は「承認」よりもさらに踏み込んで、「本来は違法行為であるが、特定の条件下では許される」という意味に重点が置かれている違いを指摘できます。
「承認」を使った例文と意味を解釈
「承認」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「彼女の環境保護に関する必死な訴えが、大勢の人たちからようやく承認されました」
この「承認」を使った例文は、「承認」の表現を、「大勢の人たちからようやく正当であると認められました」という意味合いで使っています。
「許可」を使った例文と意味を解釈
「許可」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「私たちは、立ち入り禁止区域に入って作業をしても良いという許可を得ています」
この「許可」を使った例文は、「許可」の表現を、「立ち入り禁止区域に入って作業をしても良いという、監督官庁・権限のある人からの許しを得ています(私たちは立ち入り禁止の措置を解除されています)」という意味を持つ文脈で使っています。
まとめ
「承認」と「許可」の意味の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「承認」という法令用語の言葉は、「当事者のある行為・事項について、行政機関が適当と判断して肯定すること」を意味しています。
「許可」というのは、「法令等で禁止されている行為について、特定の条件によってその行為を合法化したり禁止を解除したりする行為」の意味を持つ法令用語です。
「承認」と「許可」の意味の違いを詳しく知りたい時には、この記事の解説を確認してみてください。