「悲しき思い出」という花言葉の花は、昔あった辛い事を思い出した時に飾り、心を慰めるのに向きます。
悲しい思い出を共有する人に贈っても意味が合います。
思い出に変わった悲しい出来事は、辛いだけではありません。
今を支える大切な記憶でもあるのです。
「悲しき思い出」の花言葉を持つ花
「悲しき思い出」という花言葉を持つ花について、見ていきましょう。
「フクジュソウ(福寿草)」
キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。
花は黄色いカップ型で、上向きに咲きます。
学名が「アドニス」といい、これは古代ギリシャ神話の人物の名です。
このアドニスが「悲しき思い出」の由来となっています。
元はフェニキア神話の植物神の名でしたが、古代ギリシャ神話に習合されたものです。
昔、「アドニス」という美少年が生まれました。
孤児だった彼を、愛と美の女神「アフロディーテ」が保護し、箱に入れて冥府の女王「ペルセポネ」に預けました。
アフロディーテは「箱を開けてはいけない」と伝えましたが、ペルセポネはこれを破りアドニスを見て恋に落ちました。
アドニスを引き取りに来たアフロディーテですが、ペルセポネは返そうとしません。
2人の女神の対立に、主神「ゼウス」が裁定を下しました。
これにより、アドニスは1年を3分割して過ごす事になったのです。
つまり、アフロディーテと過ごす時間、ペルセポネと冥府で過ごす時間、そして自由時間です。
この自由時間で、アドニスはアフロディーテと過ごすようになりました。
腹を立てたペルセポネは、アフロディーテの恋人「アレス」をけしかけ、アドニスを殺させてしまいました。
そしてアドニスの流れる血から生まれたのが、「フクジュソウ」だった、というものです。
この話は、同科の「アネモネ」の由来話にもなっています。
他の花言葉は「幸せ」「幸せを招く」「思い出」「希望」「祝福」「おめでた」で、良いものばかりです。
「悲しい思い出」は去年に置いて、新しい幸せな一年を過ごそう、という意味なら一緒に伝えて差し支えありません。
「ヒガンバナ(彼岸花)」
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
花弁が細い赤い小花を放射状に咲かせ、全体として1つの花に見えます。
鱗茎はデンプンと強い毒もあり、食べるのに手間がかかります。
一方この毒性で他の動物は食べない事から、飢饉の時に食べる救荒作物として植えられました。
飢饉の辛い時を思い出す事から「悲しい思い出」という花言葉が付きます。
また、避難所になりやすい寺院やその近くの墓地に植えられた事から、故人を思い出すという意味でもあります。
他の花言葉は、「想うはあなた一人」「また逢う日を楽しみに」「独立」「情熱」「諦め」などです。
良い言葉も悪い言葉も混じるため、贈る時は何の意味かはっきり伝えましょう。
「悲しき思い出」と似た意味の花言葉を持つ花
「悲しき思い出」に似た意味の花言葉を持つ花は、多数見られます。
悲しい結末になった過去を悔いる「わが後悔は死ぬまで汝につきまとうであろう」は「アスフォデル」、失恋の悲しさの「愛よ蘇れ」は「ツワブキ」、死別がイメージされる「あなたを想って心が痛む」は「トリトマ」に付いています。
他にも「悲しみ」「追想」など意味が近い花言葉を持つ花は多いため、好みや思い出の内容に合わせて選べるでしょう。
まとめ
「悲しき思い出」という花言葉を持つ花は「フクジュソウ」「ヒガンバナ」です。
似た意味の花言葉を持つ花は「アスフォデル」「ツワブキ」「トリトマ」他多数です。
悲しい思い出も、今に繋がる記憶です。
好ましい花と共に思い出せば、辛さも和らぐでしょう。