「悠長」と「流暢」は読み方が似ている言葉ですが、意味が異なるため取り違えないよう区別して認識することが必要です。
この記事では、「悠長」と「流暢」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悠長」とは?
「悠長」は「ゆうちょう」と読む言葉で、「気が長く、言動が落ち着いていること」「のんびりしていること」を示します。
「悠」には「気分がゆったりとしている」「時間や空間がとめどなく続く様子」という意味があり、「長」には「長い」「大きい」「年が多い」「ゆったりしている」などの意味があります。
「流暢」とは?
「流暢」は「りゅうちょう」と読む言葉で、「言葉を明確にスラスラと話すこと」「淀みなくスムーズに話すこと」を意味します。
「流」は「流れる」「滞りない」などの意味を持ち、「暢」は「のびやか」「よく通る」といった意味を持ちます。
「悠長」と「流暢」の違い
次に、「悠長」と「流暢」の違いを分かりやすく解説します。
「悠長」は「気が長く、言動が落ち着いていること」や「のんびりしていること」を意味し、主に人の動作や態度に対して用いられます。
一方、「流暢」は「言葉を淀みなくスラスラと話すこと」を意味し、人の話し方に対して使用されます。
「悠長」の例文
「悠長」は「言動が落ち着いてのんびりしていること」を示す言葉です。
「暢気すぎる」「緊張感がない」といったネガティブな意味合いで使われる場合が多いですが、状況によっては「どっしり構えている」「落ち着いている」という前向きな意味合いで使用されることもあります。
・『そのような悠長なことを言っている状況ではない』
・『うちの夫は悠長でなかなか行動に移さない』
・『周囲がパニックに陥るなか、彼だけは悠長に構えていた』
「流暢」の例文
「流暢」は「言葉を明瞭に淀みなく話すこと」を示し、能弁な人や、外国語をスムーズに話す人に対して用いられます。
なお、ときどき「流暢なことを言う」という言い方を聞くことがありますが、これは「悠長なことを言う」と取り違えたと考えられる表現で、誤用になりますので注意が必要です。
・『彼女は帰国子女ということもあって、英語を実に流暢に話す』
・『流暢な同時通訳のおかげで現地の臨場感がより伝わってきた』
・『彼の流暢な語り口にはいつも感心する』
まとめ
「悠長」と「流暢」は言葉の響きが似ているため混同しがちですが、「悠長」は「言動などが落ち着いてゆったりしていること」を示し、「流暢」は「言葉を淀みなくスムーズに話すこと」を示します。
両者の意味を理解して、適切に使い分けてください。