この記事では、「恒久」と「永久」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恒久」とは?
「恒久」は物事がずっと変わらずにあり続けること、もしくはそれを望む様です。
「恒久」は、安定した状態で居続けることに重点を置いた表現であるため、同じ意味に「永久」がありますが、「恒久」側は変わってほしくないことに対して用いる言葉になります。
例えば、「恒久の平和」というのは、「永久」という言葉より重みがあり、その理由はずっと続いてほしいことを述べているためです。
「永久」とは?
「永久」は、物事がずっと変わらないことを指す言葉です。
ただし、「永久」はある程度の変化が認められており、状態が不安定になっても良しとしています。
その為、平和の象徴で使用されることはなく、その理由は、不安定になることを許した場合、平和という物は脅かされた状態であるとされるためふさわしい言葉ではないのです。
「恒久」と「永久」の違い
「恒久」と「永久」の違いは、絶対的な安定を含めて永遠であるか、そうではないかです。
「永久」は、一見すると永遠に変わらないことに見えますが、実はそうではなく、ある程度の変化を許容します。
ですが、「恒久」はわずかな変化ですら許さず本当の意味での永遠を意味します。
ですので、両者の違いは、絶対的な安定を含めて永遠であるかなのです。
「恒久」の例文
・『恒久の平和を望む』
この例は、平和を「恒久」とすることで絶対的な安定状態の平和を望むとします。
これを、「永久」とした場合、形だけ平和であればそれを許容するとみなしますので、人々を虐げ、搾取する行為を許したうえで平和のように見えるとしてもよいとなるのです。
「永久」の例文
・『この電池は永久に電力を送り続ける』
この例は、例えば、太陽パネルから給電した蓄電池であると仮定した場合、永久に電力を供給可能としますが、蓄電池自体は劣化するため、形は多少なりとも変化をしたうえで永久に機能することを意味しています。
「永久」は形が変わることになるため、この例においては、「永久」が望ましく、蓄電池の劣化という問題に未だ人類は対応できないのです。
まとめ
「恒久」と「永久」の違いは、絶対的な安定性を永遠というずっと続く状態に対して表明できるかどうかです。
「恒久」は絶対的な安定前提で永遠としますが、「永久」は多少なりとも風化することが許容されていますので安定を重視し、これからも変わらないとしたいのであれば「恒久」が望ましい日本語の表現になります。
逆に、「永久」は、変化してもそれを続けることができれば「永久」という扱いになり、過去から現在、未来という形で連鎖すれば「永久」です。
これについては、「恒久」も同様に過去から続き、現在、未来へと続くことができれば「恒久」ですが、「恒久」側の方が「永久」よりも難易度が高く、その理由は、変化してはいけない点が「恒久」が続くための難易度を上げる要因となっています。