この記事では、「小心翼々」と「戦々恐々」の違いを分かりやすく説明していきます。
「小心翼々(しょうしんよくよく)」とは?
「小心翼々」とは、もともとは「慎み深く、礼儀に適って丁寧な様」を意味する言葉でしたが、転じて、「気が小さく、ビクビクしている様」という意味も含めるようになりました。
「小心」は「慎み深いこと」や「注意深くする」、「気が小さいこと」を表し、「翼翼」は「慎み深く、礼儀正しい様」を表しています。
字順を入れ替えて「翼翼小心(よくよくしょうしん)」とも表現されます。
「小心翼々」の使い方
「小心翼々」は形容動詞として使われています。
「戦々恐々(せんせんきょうきょう)」とは?
「戦々恐々」とは、「恐れて、ビクビクしている様」や「恐れ慎む様」を意味する言葉です。
「戦々」は「恐れおののく様」や「恐れ慎む様」を表し、「恐々」は「ビクビクしながら物事をする様」や「恐る恐る」という意味を表します。
「戦々恐々」の使い方
「戦々恐々」は形容動詞として使われています。
「小心翼々」と「戦々恐々」の違い
「小心翼々」は本来、「慎み深く、礼儀に適って丁寧な様」というポジティブな意味を表す四字熟語でしたが、転じて、「気が小さく、ビクビクしている様」というネガティブな意味も含めるようになりました。
対して、「戦々恐々」は「恐れて、ビクビクしている様」という意味を表す四字熟語です。
どちらにも「ビクビクしている様子」という意味が含まれていますが、気が小さいためにビクビクしているのか、恐れおののいてビクビクしているのかという点に微妙な違いがあると言えます。
「小心翼々」の例文
・『彼は子供ながら小心翼々として、正しい言葉遣いで挨拶をした』
・『威圧感のある相手に対し、小心翼翼な態度で交渉に臨んだ』
「戦々恐々」の例文
・『戦々恐々として、健康診断の結果を開いた』
・『実のところ、初めて告白したときは、戦々恐々たる思いで一杯だった』
まとめ
「小心翼々」は「慎み深く、礼儀に適って丁寧な様」、転じて、「気が小さく、ビクビクしている様」を意味する四字熟語です。
そして、「戦々恐々」は「恐れて、ビクビクしている様」などを意味する四字熟語でした。
2語には、「気が小さい」か「恐れて」かという点に細かな違いがあると解釈できます。