ビジネス上でのやり取りにおいて、メールや文書は欠かせないものです。
そして、メールや文書を送る時にも、実際に相手と会話するのと同様に挨拶が大切になります。
この記事では、メールや文書を送る際に使える挨拶の一つ、「向春の候」について紹介していきたいと思います。
「向春の候」【こうしゅんのこう】とは?
「向春の候」とは、立春の2月初旬から、2月下旬頃まで使うことができる挨拶文の冒頭の言葉です。
文字通り、春に向う時期に使う言葉になります。
日本には時候の挨拶というものがあり、季節の変わり目などにメールや文書を送る際に、季節感を表現する挨拶文を入れて相手の体調や心の調子を気遣います。
この際に表現される季節とは、一般的な春夏秋冬の季節とはまた違い、暦上の季節で、1年間を24個に分けた「二十四節気」のことになります。
「向春の候」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使う時の注意点
時候の挨拶とはメールや文書で使うものであり、実際の会話では使うことはありません。
また注意点としては、「向春の候」は、立春が過ぎてから使う言葉であり、立春が過ぎていないうちは使わないようにしましょう。
「向春の候」を使った例文
・『向春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます』
・『向春の候、皆さまにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます』
「向春の候」の類語や言い替え
時候の挨拶には、漢語調と口語調というものがあり、「向春の候」は漢語調になります。
口語調とは、実際に会話する内容に近いような言葉になります。
例えば「向春の候」を口語調に言い換えるとすると、「まだ厳しい寒さが続いておりますが」や「梅の花も咲き始める今日この頃」となります。
ただ口語調はくだけた言い方で、親しい相手に送る言葉ですので、正式な文書やビジネスメールでは漢語調を使うようにしましょう。
まとめ
ここまで「向春の候」について説明してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
「向春の候」は挨拶文ですので、メールや文書の内容と直接的には関係ありません。
しかし、実際の会話と同様、まず始めに挨拶を交わすことで、お互いの距離感はぐっと近くなるものです。
この記事の内容を参考に、良好な人間関係を築いていってください。