この記事では、「向寒の候」について詳しく紹介します。
「向寒の候」とは?
「向寒の候」は手紙やハガキに用いられる時候の挨拶の1つで、「こうかんのこう」と読みます。
「向寒」は寒の時期に向かうことを表していて、日増しに寒くなる時期に用いられます。
「向寒の候」は、「本格的な寒さに向かう季節ですね」という意味になります。
「向寒の候」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「向寒の候」は、手紙やハガキ、挨拶状等で用いられる時候の挨拶です。
「〜の候」は漢語調で、時候の挨拶の中でも格調高い印象を与える言葉です。
そのためビジネス文書やあらたまった手紙でよく用いられます。
ただし、ビジネスメールでは使用することはありません。
ビジネスメールでは用件を簡潔に伝えるのが基本なので、儀礼的な挨拶は省かれるからです。
ビジネスメールに相手を気遣う言葉を入れたい時には、「向寒の候」ではなく「寒さが厳しくなってきましたが」など口語調のフレーズが向いています。
それから「向寒の候」を使用する時期は、11月上旬の立冬から冬至までとされます。
冬至を過ぎると冬の中でも最も寒い時期が到来するので、寒に向かう季節とはいえなくなるからです。
「向寒の候」を使った例文
・『向寒の候 貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます』
・『向寒の候 皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます』
「向寒の候」の類語や言い替え
「向寒の候」には、「向寒の折」や「向寒のみぎり」といった言い替え語があります。
「〜の折」も「〜のみぎり」も時候の挨拶に用いられる言葉で、「〜の候」と意味に違いはありません。
いずれも「本格的な寒さに向かう季節ですね」という意味のフレーズです。
それから「深冷の候」や「落葉の候」も「向寒の候」と同様に11月に使える時候の挨拶です。
「深冷の候」には「大気が冷たくなってきましたね」という意味があり、「落葉の候」には「落葉の季節になりましたね」という意味があります。
まとめ
「向寒の候」は、立冬から冬至まで用いられる時候の挨拶の1つです。
「本格的な寒さに向かう季節ですね」という意味があります。