この記事では、「各自」と「各人」の違いを分かりやすく説明していきます。
「各自」とは?
「各自」は「かくじ」と読みます。
「各」という漢字は、「ひとつひとつ」「おのおの」という意味を含んでいます。
そして「自」は「おのれ」「当人」といった意味があります。
「各」と「自」の2文字から構成される「各自」は「めいめい」という意味になります。
「各自」は組織や会社などのグループに所属する人に対して使う言葉です。
「各自五分ずつ話す時間が与えられた」といった使い方をします。
「各人」とは?
「各人」は「かくじん」と読みます。
「各」の字は前述したとおり、「ひとつひとつ」「おのおの」という意味を含んでいます。
そして「人」は、「ひと」「社会的行為の主体」という意味を持っています。
「各」と「人」で構成される「各人」とは「それぞれの人」「おのおの」「めいめい」という意味になります。
「各人」は広く世間から公募する場合などに用いられます。
「昼食は各人が持ってくること」のような使い方をします。
「各自」と「各人」の違い
「各自」と「各人」それぞれの用語の意味を見ると、「各自」「各人」とも「めいめい」と言う意味になることがわかりました。
前述した「昼食は各人が持ってくること」という文章を「昼食は各自が持ってくること」と言い換えても違和感はありません。
ではまったく違いはないのかというと、そうではありません。
「各自」と「各人」には使われ方に違いがあります。
「各自」とは組織や会社などのグループに所属する人に対して使う言葉です。
つまり特定されたメンバーに対して使う言葉が「各自」となります。
一方で「各人」は更に広い場面で使うことができる言葉です。
「各人」を使う場面は組織や会社などのグループに所属する人に限りません。
例えば広く世間から公募するといった場合にも使うことができます。
つまり不特定多数の人に対して使うことができる言葉が「各人」です。
もちろん「各自」と同じようにグループに所属する人に対しても使うことができる言葉です。
「各自」の例文
・『各自運転するときは気をつけなければいけない』
・『討論は各自の持ち時間が6分間あります』
・『各自お考え頂ければと思います』
・『各自教室内に戻り先生方の指示を待ってください』
「各人」の例文
・『仕事のペースは社員各人に任されている』
・『各人が1票ずつを投じなければならない』
・『各人の給料はその働きに比例していた』
・『会員は各人発言をもとめられた』
まとめ
以上が「各自」と「各人」の違いになります。
「各自」は組織や会社などのグループに所属する人に対して使う言葉。
そして「各人」は組織や会社などのグループに限定されず、広く世間から公募するような場合にも使うことができる。
「各自」と「各人」の意味の違いはありません。
ですが、使い方に違いがあるということがわかりました。