社会人になると、社会の中における自分という位置付けをどうするかが重要なポイントになってきます。
今回の「個人的なこと」というフレーズもそれに関わるものであり、これより解説いたします。
「個人的なこと」とは?
まず「個人」の意味から考えてみましょう。
「個人」は基本的には、「一人一人の人」という意味です。
ただし、このフレーズが使われる場合の「個人」は、発言者や発信者にとって「自分」という意味で使われる傾向があります。
当然、一般論としての発言であれば、「一人一人の人」という意味になりますので、文脈によって区別しましょう。
その上で「個人的」となると、「自分に関しての」や「各人に関しての」という意味になります。
「こと」はそのまま「こと」の意味ですから、「個人的なこと」とは、「自分に関すること」や「各人に関してのこと」という内容になるのです。
「個人的なこと」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「個人的なこと」が「自分に関すること」として使用されるケースでよくあるのは、事情の説明や謝罪などの際の使用です。
例えば、会社を旅行で休みたいとき、「個人的なことで休ませてください」などと伝えます。
中身を詳しく説明したくないが、あくまで「プライベートな理由」であることを伝えることができます。
また、旅行に行くのでその間の業務を同僚に頼む時には、「個人的なことで迷惑をかけて申し訳ない」と言った形での使用が考えられます。
一方、「各人に関しての」と言う意味での使用は、先程も説明したように「一般論」としての使用です。
具体的な事例を挙げると、自分勝手な行動を慎む必要があることを説明する場合に、「個人的なことを皆が主張し出すと収拾が付かなくなる」と言うように使用します。
「特定の一人」ではなく、あくまで「集団の中の一人一人に関すること」という意味で使用しています。
尚、以上見てきたことでお気付きの方も多いでしょうが、直接的ではないものの、言外に「社会や集団のためではなく、あくまで自分や各人のため」という意味合いが含まれる傾向が見られますので、注意してください。
「個人的なこと」を使った例文や文章
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『個人的なことでご迷惑をおかけします』
・『個人的なことは、今は置いておく必要がある』
・『個人的なことに振り回されるべきではない』
「個人的なこと」の類語や言い換え表現
「個人的」の類語としては「私的」「してき」がまず考えられます。
「こと」については、この場合「(解決すべき)事柄」を意味する「問題」や「個々の事柄」を意味する「件」などでの代用があり得るでしょう。
以上のことから、「私的な問題」や「私的な件」が言い換え表現として挙げられます
また、「私事」「わたくしごと」という言葉なら、一語で代用することもできます。
まとめ
「個人的なこと」とは、「自分自身に関すること」や「各人に関すること」という意味の言葉です。
概ね「自分のためのこと」や「各人のためのこと」という意味合いで使用される傾向があります。
