ビジネスにおいては、「断り」の伝え方はなかなか難しい部分があります。
そうは言っても、断らないとならない場面はよくありますから、それに関する表現は多く存在しているのです。
今回のフレーズもその1つであり、これより解説していきます。
「今回は見送らせていただくことになりました」とは?
まず問題になるのは、「見送らせていただく」の部分でしょう。
これは「見送る」の未然形「見送ら」に、「せていただく」が続く、いわゆる「させていただく」表現になっています。
「見送る」自体が動詞ですので、動詞「する」の未然形の1つである「さ」が必要ないので「見送ら」「せていただく」という形となっているのです。
つまり、「相手に許してもらって、自分のために見送りました」という前提の「遠慮がちに行う」という意味の謙譲表現です。
尚「見送る」は、この場合「控える(断る)」という意味で使用されています。
一方「なりました」は、動詞「なる」の連用形「なり」に、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」が付き、更に過去や完了を表す助動詞「た」の終止形が続く形となっています。
つまり「〜という状態や事態になった」という意味の丁寧表現です。
以上を踏まえると、「今回は控えさせてもらうことになりました」という謙譲表現がこのフレーズの内容になります。
「今回は見送らせていただくことになりました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスシーンでこの表現が使われる場合は、採用試験の「不合格通知」や「相手からの提案の不採用」といった場面です。
相手への配慮として、「見送る」という婉曲表現が使われています。
「今回は見送らせていただくことになりました」を使った例文
それでは、このフレーズの使用例を挙げてみましょう。
・『今回は見送らせていただくことになりましたが、次の機会がありましたら、またの応募をお待ちしております』
・『予算の都合により、残念ながら今回は見送らせていただくことになりました』
「今回は見送らせていただくことになりました」の言いかえ表現
このフレーズは、「(遠慮がちに)断ることになった」という内容が表現の本質にあります。
その意図を表現できる言いかえをすれば良いのです。
「この度は、残念ながら控えさせていただくことに決定いたしました」
「この度は、ご遠慮いたしたく存じます」
まとめ
「今回は見送らせていただくことになりました」は、相手に配慮して遠慮がちに断る場合に用いるフレーズです。