この記事では、「世界遺産」と「無形文化遺産」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世界遺産」とは?
「世界遺産」とは、ユネスコ総会において1972年に採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」で定められた顕著かつ普遍的な価値を持つ物件を指しています。
また、世界遺産は文化遺産と自然遺産に大きく分けられており、それぞれに関わる正式な文書については英語またはフランス語で記載されています。
「無形文化遺産」とは?
「無形文化遺産」とは、世界遺産と同じくユネスコで定められている保護対象の財のことで、ここで言う財とは、各国で親しまれている伝統的な音楽や舞踏、祭り、儀式などを指しています。
また、2013年には日本の和食、2014年には和紙、2016年にはインドのヨーガなどの伝統的な習慣や工芸などもこれらのリストに加えられています。
「世界遺産」と「無形文化遺産」の違い
「世界遺産」と「無形文化遺産」の違いを、分かりやすく解説します。
「世界遺産」は基本的に移動することが不可能な不動産を対象としており、文化財や景観、自然などの全人類が共有するべき「顕著かつ普遍的な価値を有する財」を示しています。
その一方で「無形文化遺産」は、民俗文化財や古来より伝わる風習や口承伝統などの文字どおり形を成していない財を対象としています。
「世界遺産」の例文
・『日本で13番目に登録された世界文化遺産は富士山です』
・『「世界遺産」を英語で表現する場合は「World-Heritage」という語句が使用されています』
「無形文化遺産」の例文
・『「フランスで親しまれている美食術」などが2010年に無形文化遺産に登録されました』
・『「無形文化遺産」はユネスコで定められた主に形のないものを保護するための条約です』
まとめ
「世界遺産」と「無形文化遺産」はいずれも世界的な文化財の保護を目的とした条約に定められていますが、それぞれの大きな違いは、簡単に言えば「形になっているもの」と「形になっていないもの」の違いになります。
建築物や遺跡、または景観や自然などの目に見える文化を対象とした「世界遺産」に対して、「無形文化遺産」はお祭りあるいは伝統芸能などの目に見えない文化を対象にしており、これらの基準を元にそれぞれの遺産リストが作られています。