社会人になると、異動や昇進などで新しい立場や環境に置かれることが自然に増えます。
同時に、そのような場合には世話になった方や関係者への挨拶を伴い、「より一層精進する所存ですので」というフレーズもそのような挨拶の中で使われやすい表現です。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「より一層精進する所存ですので」とは?
まず、「より一層」とは「より」と「一層」から成り立っていますが、「より」も「一層」も共に「更に」や「ますます」など共通の意味があります。
特に2つ並べることで意味を強調する作用があるため、セットでよく用いられます。
また、「精進」は「しょうじん」と読み、元々は「仏教の修行を行うこと」を意味していますが、「精進する」は一般的に「一生懸命に励む」や「一生懸命努力する」という意味で使われるものと考えてください。
そして、「所存」は「しょぞん」と読み、単体では「考え」や「思惑」の意味です。
更に「所存です」という形になると、「するつもりです」という意味でフォーマルな表現を形成します。
最後の「ので」は、理由を意味する順接の接続助詞であり、フレーズ全体としては、「今まで以上にもっと努力していくつもりですから」という意味をフォーマルな表現にしていることになるのです。
基本的に文章表現として使われやすいフレーズではありますが、フォーマルな場面では口頭でも用いられます。
「より一層精進する所存ですので」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
基本的には、新しい環境に置かれた場合や役職もしくは担当になった場合の挨拶に使われます。
新しい環境に慣れるためには、本人の努力や学習が必要ですから、それをしっかりやるという決意を周囲に表明する意図があるのです。
同時に、自分が努力するので、周りの人にも是非助けてもらいたいという意図が含まれています。
つまり、このフレーズの後には、「今後ともよろしくお願いいたします」といった、助力や協力の依頼表現が続く傾向が見られるのです。
「より一層精進する所存ですので」を使った例文
それでは、実際の使用例を挙げてみましょう。
・『新年度より課長職を拝命いたしました。より一層精進する所存ですので、以後も変わらずご指導いただきたく存じます』
・『新事業の担当に配属されました。より一層精進する所存ですので、お引き立ての程よろしくお願いいたします』
「より一層精進する所存ですので」の類語による言いかえ
「より一層」については、「更に」や「ますます」あるいは「今まで以上に」などの言いかえが挙げられます。
また「精進する」の部分は、「励む」や「目的にむかってひたすら突き進む」という意味の「邁進する」を使ったり、「努力を重ねる」や「尽力する」などの表現で代用できるでしょう。
最後の「所存です」は、シンプルに「つもりです」でも十分ですが、「決意です」や「覚悟です」など、強い意志を表現する言葉で言いかえるのも1つの手と言えます。
これらを踏まえると、「今まで以上に邁進する決意です」のような形が考えられます。
まとめ
「より一層精進する所存ですので」は、新しい環境に置かれた際に関係者や知人への挨拶に用いられ、更なる努力を表明するためのフォーマルな表現です。
このフレーズの後には、何らかの協力や援助を求めるフレーズが続く傾向にあります。