「かまける」と「うつつを抜かす」は同じような使い方をされる言葉ですが、具体的にどのような意味の違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「かまける」と「うつつを抜かす」の違いを解説します。
「かまける」とは?
「かまける」とは、「1つだけに関わり合って他をおろそかにするさま」を意味する言葉です。
「かまける」の使い方
ある一つのことだけに関わり合いを持ち他のことに関わらず気に留めないさまを表します。
一般的には他の大事なことを放り出して1つのことにばかり気を取られている様子に対して用いられる表現で、やるべきことを放り出して特定のことに悪い意味で集中している場合に使います。
「うつつを抜かす」とは?
「うつつを抜かす」とは、「心を奪われて夢中になること」を意味する言葉です。
「うつつを抜かす」の使い方
「うつつを抜かす」は漢字で「現を抜かす」と書きます。
「現」とは夢や幻ではないこの世に存在している現実を意味する言葉で本来なら大切にするべきはずの現実を抜かしている、つまり夢や幻のような出来事に心を奪われている様子を表しています。
仕事や家族など大切にすべき現実を放り出して遊びに心を奪われ夢中になっているさまに対して用いられる表現です。
「かまける」と「うつつを抜かす」の違い
1つのことに集中するあまり他のことがおろそかになっているのか「かまける」と「うつつを抜かす」、特定のことにのめり込むあまり現実を忘れてしまっているのが「うつつを抜かす」という違いで区別されます。
どちらも大切なことを放り出している様子を表しますが「かまける」は仕事に集中するあまり家族への関わりが薄くなるような現実的な問題によって発生する状況を意味するのに対し、「うつつを抜かす」は酒色や趣味など遊びのせいで大切な現実を投げ出している状況を表すという違いがあります。
真面目さや要領の悪さが原因で起きることもあるのが「かまける」、不真面目さやいい加減さが原因で起きるのが「うつつを抜かす」です。
まとめ
「かまける」と「うつつを抜かす」は原因の違いで区別されます。
似たような場面で使われる表現なのでそれぞれの意味を正しく理解して使い分けましょう。