ビジネスでは「約束」を守ることは重要です。
とりわけ「期限」については、様々な「約束」の中でも重要なポジションを占めていることは言うまでもありません。
今回はこの「期限」に関わる、「お支払い期限となっておりましたが」というフレーズについて解説してみましょう。
「お支払い期限となっておりましたが」とは?
「お支払い期限」とは、「サービスや商品の対価としての金銭を支払う最終日時」のことです。
「と」は、この場合は格助詞であり、意味的には「に」と同じと考えましょう。
「なって」は「(〜に)なる」という動詞の連用形「なり」の促音便系に接続助詞「て」が付いた形です。
そこに「いる」の謙譲表現「おる」の連用形「おり」に丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」が付き、更にそこに過去や完了を表す助動詞「た」が付いた形が「おりました」となって続いています。
全体を通しては、「おりました」が「〜の状態になった」ことを丁寧な表現にする意味があるので、「支払い期限になっていますが」ということを謙譲且つ丁寧表現にしていることになります。
「お支払い期限となっておりましたが」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで約束を守ることが重要な点は既に触れましたが、守らない相手への対応はなかなか難しいものがあります。
特に相手に悪意がなかった場合には、あまり責めるとその後の関係に問題が生じることもあり得ます。
「嫌な気持ちにさせずに、約束を守るように伝える」ことが重要であり、取り敢えず「相手がたまたま忘れていたことを思い出してもらう」という形にするため、このフレーズが使われるのです。
この後には、「お支払いいただけましたでしょうか」や「お支払いいただけますと幸いです」と言った、相手が払っていないことを責めずに、自発的に払わせるように仕向けることが肝要なポイントと言えるでしょう。
また、このフレーズの前に具体的な日時を明示しておくこともできます。
「お支払い期限となっておりましたが」を使った例文
それでは、後続のフレーズとともに、あり得そうな例文を挙げてみましょう。
・『お支払い期限となっておりましたが、お支払いはお済みでしょうか』
・『10月31日がお支払い期限となっておりましたが、お支払いお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします』
「お支払い期限となっておりましたが」の類語による言いかえ
「期限」については「期日」「きじつ」がほぼ同じ意味になります。
回りくどい表現にはなりますが、「〜日までにお支払いいただくことになっておりましたが」も丁重な表現としてはあり得るでしょう。
一方、「なっておりましたが」については、「過ぎておりますが」で言いかえられます。
これらを踏まえた全体的な言いかえは、「お支払いの期日を過ぎておりますが」といった形になることが考えられます。
まとめ
「お支払い期限となっておりましたが」は、相手に支払いの催促をする場合に用いられる前置きのフレーズの1つです。
この後には、相手が自発的に支払うように促す表現の内容が続きます。